病院機能評価認定
はじめに
当院は、令和6年10月4日付けで病院機能評価の「機能種別 リハビリテーション病院」3rdG:Ver.3.0の認定を受けました。当院は病院機能評価取得後も、継続してより質の高い病院を目指していきます。
病院機能評価とは
病院機能評価とは、医療機関の質を保証し、向上させるための第三者評価制度です。公益財団法人日本医療機能評価機構が、中立的かつ科学的な視点から病院の組織運営や医療の提供状況を審査し、適切な基準に基づく評価を行います。
この評価制度は、病院の質改善活動を支援するツールとして1997年に導入され、全国の約3割の病院が認定を受けています。病院機能評価の目的は、患者が安全で安心して医療を受けられる環境を整えることにあります。
評価プロセスでは、病院の理念や組織運営、医療の質、患者安全の確保といった要素が審査されます。特に、医療機関が継続的に質改善に取り組むことを促し、職員の意識向上や他職種間の連携強化を図ることが重要視されています。また、認定を受けた病院は、さらなる改善活動を継続することで、より良い医療の提供を目指します。
近年の改定により、病院機能評価はより精度の高いものとなり、病院の特性に応じた評価項目の選択や、プロセス重視の評価手法が採用されています。これにより、病院ごとの強みや課題を明確にし、質の向上に向けた具体的な改善活動が促される仕組みとなっています。
病院機能評価は、医療機関が患者中心の医療を実現し、安全で質の高い医療サービスを提供するための重要な指標であり、今後もその役割は拡大していくと考えられます。
具体的に何が評価されたのか
1.病院の特色 | 1932年に開設され、2012年に愛知県済生会リハビリテーション病院となる。専門性の高いリハビリ医療を提供し、地域医療に貢献。生活困窮者支援も積極的に展開。 |
2.理念達成に向けた組織運営 | 理念は明文化され、周知も適切。病院幹部がリーダーシップを発揮し、会議・委員会も適切に運営。職員の研修、福利厚生が充実し、人材育成に注力。 |
3.患者中心の医療 | 患者の尊厳を重視し、支援体制を整備。説明と同意の手順を明確化し、セカンドオピニオンも提供。プライバシー保護や倫理カンファレンスの実施も適切。 |
4.医療の質 | 病院機能評価受審に向け、多くの業務改善を実施。カンファレンスを定期開催し、多職種が協働。患者満足度調査を活用し、質の向上に努めている。 |
5.医療安全 | 医療安全委員会を設置し、急性期病院と連携。インシデント報告の管理や誤認防止策を徹底。電子カルテを活用し、リスク回避にも取り組んでいる。 |
6.医療関連感染制御 | 感染対策委員会とICTを設置し、耐性菌の監視・手指消毒モニタリングを実施。院内感染対策や抗菌薬適正使用指針を策定し、感染制御に取り組む。 |
7.地域への情報発信と連携 | 広報誌発行やSNS活用で病院情報を発信。地域連携クリニカル・パスの実績もあり、定期的な合同会議を開催。各種啓発活動にも積極的に取り組む。 |
8.チーム医療による診療・ケアの実践 | 多職種が協力し、治療計画を立案。質の担保のため、副担当制や情報共有を強化。嚥下訓練機器を導入し、専門性の高い診療・ケアを提供。 |
9.良質な医療を構成する機能 | 薬剤管理や検査体制を適切に整備。栄養管理やリハビリの評価・計画を強化。電子カルテを活用し、医療機器の管理も適切に実施。 |
10.組織・施設の管理 | 財務管理を適切に行い、収支報告を実施。施設基準管理を徹底し、院内の安全対策を強化。災害対策マニュアルを整備し、防災設備も充実。 |